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オンライン資格確認に明確なメリットを

20 Oct 2022

オンライン資格確認に明確なメリットを 社会保障 2022 年 10 月 20 日 全 8頁 オンライン資格確認に明確なメリットを マイナポータルを起点にリフィル処方を普及させることも検討すべき 政策調査部 研究員 石橋 未来 [要約] 2023 年 4 月より医療機関・薬局でオンライン資格確認のシステム導入が原則義務化さ れるのに加え、2024 年秋を目途に従来の健康保険証が廃止される方針が決まった。だ が、すでに運用を開始している施設においても、患者情報はほとんど活用されておらず、 また、患者自身によるマイナポータルの閲覧を通じた健康管理も進んでいない。 政府は、オンライン資格確認の活用がより良い医療の提供になるとしているが、医療の 質を高めるための患者情報を活用した診療・処方のあり方は明確になっていない。また、 患者が主体的に健康を管理し、医療に参加することも期待されているが、. [...] Pérez-Stable, “Barriers to Patient Portal Access and Use: Evidence from the Health Information National Trends Survey” 7 / 8 普及に向けて大胆な仕組みの採用も検討すべき 先述した通り、2023 年 4 月より、保険医療機関・薬局でオンライン資格確認のシステム導入 が原則義務化されるのに加え、2024 年秋を目途に、従来の健康保険証が廃止される方針も決ま った。政府の強力な後押しにより、早晩、マイナ保険証を利用したオンライン資格確認の仕組み は広がるだろう。だが、メリットが曖昧な現状のままでは、医療機関・患者双方の効果的かつ、 主体的な利用にはつながらず、形ばかりの医療 DX になりかねない。国民・患者が実感できるメ リットを実現させ、それを分かりやすく示すことが必要だ. [...] Hefner, Ann Scheck McAlearney, “Improving the patient experience through patient portals: Insights from experienced portal users”, Patient Experience Journal Volume 5 (2018), pp.47-54 8 / 8 入っている事例等もあるようだ19。実際、日本保険薬局協会が実施したアンケート調査20による と、2022 年 4~6 月中のリフィル処方箋について、72%の薬局が「応需なし」と回答しており、 ほとんど利用されていない状況にある。背景には、患者の症状悪化の見逃しなどを医師が懸念 していることがあるのだろうが、医療機関の経営面で再診料が減ってしまうということも無関 係ではないだろう。リフィル処方箋の普及は、患者の通院負担.

Authors

石橋未来

Pages
8
Published in
Japan
Title in English
Clear benefits of online qualification verification